ウルメイワシ(潤目鰯)

更新日:2013年04月01日(月)


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ウルメイワシは、ニシン目・ニシン科に分類される魚の一種。他の鰯類より生存数が少ないため、希少価値のあるものとなっている。全世界の熱帯・温帯海域の温暖な浅海に広く分布する。特に暖流に直面した沿岸地域に多い。日本ではマイワシ、カタクチイワシと共にいわゆるイワシの一種として重要な水産資源となっている。地方名としてウルメ(各地)、ダルマイワシ(新潟)、ドンボ(富山)などがある。

成魚は凡そ二十センチ程度、大きいものだと全長30cmに達し、マイワシより大きくなる。目が大きく、さらに脂瞼に覆われて「潤んでいる」ように見え、和名はここに由来する。下顎が上顎よりも僅かに前に突き出る。体色は背中側が藍色、腹側が銀白色で、他に目立つ模様は無い。体は前後に細長く、断面は背中側がやや膨らんだ卵型をしている。1縦列の鱗数は53-56枚で、カタクチイワシやマイワシよりも鱗が細かい。

腹鰭が背鰭よりも明らかに後ろにある点でカタクチイワシやマイワシと区別できる。他にもカタクチイワシとは口が小さいこと、マイワシとは体の断面が丸く背中の青みが濃いことなどで区別できる。

 

春から夏には北上、秋から冬には南下するという季節的な回遊を行う。日本沿岸でも、夏は北海道沿岸に群れが出現する。海面近くで群れをなして遊泳するが、群れの規模はマイワシよりも小さい。成魚の餌はプランクトンで、口と鰓蓋を大きく開けて泳ぎ、鰓耙(さいは)でプランクトンを濾過摂食する。

産卵期は春から夏にかけてで、南方ほど早い。受精卵は直径1.2mmほどの分離浮性卵である。西日本ではほぼ周年漁獲されるが、産卵を控えた冬(12月~2月)が旬とされる。

巻き網、棒受け網などで漁獲されるが、漁獲量は日本産イワシ3種の中で最も少ない。マアジなどと共にサビキを用いた釣りで挙がることもある。

 

栄養分・効能・効果:

ウルメイワシ、カタクチイワシ、マイワシの三種類の中でも一番低カロリーなのがウルメイワシ。
イワシは魚介類の中では比較的脂肪分が多い方ではあるが、良質のたんぱく質、脂質を含み、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)という多価不飽和脂肪酸を豊富に含んでいる。悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化の原因となる血栓の生成を防ぐ働きがあると言われている。ただし善玉コレステロールまで下げてしまう為、摂りすぎは良くないとされている。

ビタミンB12も非常に豊富に含まれており、骨まで丸ごと食べられるので、カルシウムやリンの補給に、また、カルシウムの吸収を高めるビタミンDも含まれるので、骨租しょう症の予防に適した魚と言える。
めざし、たたみいわし、丸干しにしたものは、栄養価は生のいわしより高くなるが、保存性を高めるために塩が使われているため、血圧が高めの人は、塩分をとりすぎないよう、食べる量に注意が必要。動脈硬化の予防、認知症の予防、がんの予防、疲労回復、骨を丈夫にするなど、さまざまな作用が期待されている。

 

味の特徴:

城ヶ島・三浦半島で良く干物にされて愛されている美味な魚である。 イワシの中では、一番刺身でおいしいと評判。

尚、うるめいわし節は、その多くが削り節の原料となる。甘味を有する味だが、濃厚な味を出すイワシ類では、かたくちいわし節となっており、少し魚臭が残るものの、その生産量は非常に多くなっている。その他、ひらご節というものもあるが、これはまいわし節のことを指しています。淡白であっさりとした味を持ち、まろやかで癖のないものになっている。

 

 

調理例:

小型のものはカタクチイワシと同様煮干しにされるが、大型個体も殆どが目刺・丸干し等の干物に加工される。これは傷みが早いからだが、マイワシより脂肪の含有量が少ないため干物に適しているというのも理由として挙げられる。新鮮なものは刺身や塩焼きで食べられるが、傷みが早いので鮮魚としての流通は限られる。

 

その他:

うるめ節:旨味が強く香りに富み、こくのある黄金色のだしを特長とるす。一般にはさば節と合わせて使われることが多く、関西の味覚に一番相性の良いだしとして古くから重宝されている。とりわけ関西ならではのうどんにもっとも適した味と色合いを醸し出すだし。

 

うどん屋・そば屋はもちろんのこと料亭・割烹・寿司屋・レストラン・食堂など多くのプロの料理人に支持される混合削り節は目近節(宗田節)やサバ節、ウルメ節をこだわりの配合で混合して使用しているそう。

 


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