更新日:2013年03月13日(水)
キムチは、白菜などの野菜を薬念などで漬けた、朝鮮半島を発祥とする漬物である。朝鮮漬とも呼ばれる。
一般的なキムチは唐辛子が大量に使われており、真っ赤な色の漬物である。唐辛子の辛味、白菜の甘味、薬念と乳酸発酵による酸味旨味と塩辛さが複雑に交じり合った風味が特徴である。その辛さや薬念に使うニンニクのにおいから、敬遠する人もいる。(本来、キムチとは朝鮮語で「野菜を漬けたもの」という意味である(諸説ある)。唐辛子やニンニクを使わないキムチも存在する)。
伝統的な製法のキムチは発酵食品であるためガスが発生する。そのため、完全な密閉容器にキムチを詰めて室温で保管していると、数日で破裂する恐れがある。
産地・種類
様々な具材を使ったキムチがあり、その数は200種類以上あると言われている。
ペチュギムチ(배추김치)
白菜のキムチ。単に「キムチ」と称した際はこの白菜キムチを指すことが多い。19世紀に中国で新品種の白菜が輸入され一般的になった。
オイギムチ(오이김치)
胡瓜のキムチ。オイソバキ、オイキムチとも。
カクトゥギ(깍두기)
大根のキムチ。カクテキとも。大根を六面体に切って作る。
チョンガクキムチ(총각김치)
チョンガク大根(小型の大根)のキムチ。
ポサムキムチ(보쌈김치)
開城地方の名物。生のイカやカキなどを白菜の葉で包んで漬ける。保存がきかないため二、三日で食べきらなくてはいけない。ポッサムキムチとも。
ヤンベチュキムチ(양배추김치)
キャベツ(양(洋)배추、洋白菜の意)のキムチ。白菜の手に入りにくいヨーロ
ッパなどへ移住した朝鮮系住民によってよく作られていた。新しく開発された特殊な乳酸菌を用いて、キムチにすることに成功し一部で市販されている。長期保存可能な食品に加工できることは、キャベツが生産過剰となった場合の有効な利用も期待できる。
ムルギムチ(물김치、水キムチ)
唐辛子とニンニクを使わない、汁気の多い白いキムチ。汁ごと食べる。ムルギムチの汁は冷麺の汁には欠かせない。
地域によりキムチの種類も異なり、北に行くほど薄味に、辛さも控えめになる傾向にある。朝鮮半島北部のキムチは汁気が多く、野菜の素材の味を生かしたものであるのに対し、南部のキムチは唐辛子が多く
なり
汁気は少ない。この理由として気温が高い南部では亜熱帯性の作物である唐辛子の生産に適していたこと、また同時に豊富に獲れた魚介類を積極的に用いたため臭み消しや保存性を高める目的から唐辛子や塩を多く用いる必要があったことが挙げられる[3]。
また離乳食用に薄味のペースト状になった「赤ちゃんキムチ」や辛さを抑えた「子どもキムチ」も韓国では販売されている[
各務原キムチは、野菜をふんだんに使用したキムチである。通常キムチに使われる白菜、大根、きゅうりだけでなく、ヤーコン、竹の子、菊芋、エリンギ、カブ、エゴマの葉などを使用したキムチもある。各務原キムチの定義(キムチ日本一の都市研究会事務局による)は、
- 各務原市特産のニンジン(各務原ニンジン)を使用する事。
- 各務原市の姉妹都市の春川市の特産の松の実を使用する事。
この2点以外は認定店の自由となっており、味も異なっている。 認定は「各務
原キムチ販売店」と「各務原キムチ料理取扱店」があり、各務原キムチのイメージキャラクター「キムぴ~」の付いたのぼりが配布され店に掲げる事ができ、各務原キムチMAPにて紹介される。
キムチの歴史
語源に関して説は各種あり定かではない。朝鮮語で「野菜を漬けたもの」の意である沈菜(침채、チムチェ)が語源とする説と、沈漬(チムチ)、鹹菜(ハムチェ)等、その他の語源説がある。
文献上キムチがはじめて登場したのは13世紀初頭、李奎報の詩においてだが、
少なくともそれ以前から存在していたと考えられている。
16世紀、朝鮮半島に日本から唐辛子が伝来して暫くしてから唐辛子を用いて作られるようになった。唐辛子の普及以前においてはもっぱら山椒が使用されていた。なぜ唐辛子を山椒の代わりに使用し始めたかについては明らかにされていない。
持ち込まれた当初、朝鮮では唐辛子のことを倭芥子、若しくは倭椒と呼び、毒があると
して忌避していたが、後にキムチをはじめとした料理に用いるようになった。1670年のハングル料理書『飲食知味方』に出てくるキムチは、唐辛子を使用したものは一つも見られず、 19世紀の文献『閨閤叢書』(1809)に出てくるキムチを見ると、粉トウガラシではなく千切りの唐辛子が少し入っている(日本で「朝鮮漬け」として知られている漬物に似たもの)記録が残っており、19世紀前後に唐辛子が使用され始めたことが推測される。韓国人は子供の頃からキムチを食べているので辛さに慣れている。しかし、韓国人も皆辛さに強いわけではないため、キムチは2000年代現在では子供が嫌いな食べ物のワースト1、2を常に争っている。近代化に従い、若者がキムチを食べるよう強いられる機会も減り、キムチの消費量は減少傾向にある。
キムチの栄養分・効能・効果
キムチは発酵食品であり、乳酸菌やビタミンも豊富である。
味の特徴
一般的な白菜キムチは以下のように漬ける。
白菜を一日ほど塩に漬ける。これを水で洗って塩抜きし、葉に薬念をまぶして壺に本漬けする。薬念としては、唐辛子、ニンニク、ニラ、塩漬けされたアキアミ(日本ではアミエビの名が一般的)、イカ、イシモチ、イワシなどの
塩辛、魚醤の他、牛肉や煮干し、昆布などの出汁を合わせたものが用いられる。リンゴ、梨、栗、ナツメなど果物を加えて味をまろやかにしたり、生のカキやイカを加えコクやうまみを補ったりするりこともある。本漬けで4、5日ほど発酵させると出来上がりである。
日本で売られているキムチは、日本人向けに味付けされたものがほとんどで、韓国のキムチと比べると酸味が抑えられ甘みが強い。
日本では浅漬けの製法(白菜の塩漬けに調味料を加える方法)でもキムチが作られており、浅漬けキムチ、和風キムチなどと呼ばれ、韓国のキムチとは区別される。
韓国のキムチと日本のキムチの違いは、主に乳酸発酵の有無にある。韓国の製法では乳酸発酵が行われる。時間の経過で乳酸発酵が進み、酸味が強くなるので、食べ頃には好みが生ずる。一方、日本式のキムチは浅漬けに唐辛子のキムチ風辛み味付けをした物で、日本
地方によっては、唐辛子をやや多めに使った白菜漬のことを「朝鮮漬」と称する例もある。人の好みに合わせあっさりした味付けの物が多い。どちらの品も日本では受け入れられている。2000年代現在では「キムチの素」などの名称の調味料が販売されており、一般家庭でも容易にキムチを作ることが可能である。
キムチの調理例
単独であるいは付け合せ(特に焼肉店)として食べられるほか、豚肉と一緒に炒めた「豚キムチ」などの材料や、チゲの具(キムチチゲ)としても用いられる。