ダイコン(大根/무・깍두기)

更新日:2013年03月31日(日)


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ダイコンはアブラナ科の越年草で、春に放置すれば薹が立ち、枝の先にアブラナに似た紫がかった白い花がつく。

主として肥大した根、茎、胚軸を食用とするほか、種子から油が採れる。ダイコンは日本においては品種・調理法とも豊富であり、現代の日本人の食卓には欠かすことのできない野菜となっている。また、由来は特にはっきりはしていないが、文字通り「大きな根」と捉えることが多い。野菜としての位置づけにおいては、カブとの類似性が高い。

地下に垂直に根が伸び、主軸が肥大して、食べられる。一般的に肥大部は根と呼ばれているが、発生学的には全てが根ではない。畑での栽培時における、大根の肥大部の地上に現れている緑色の箇所が胚軸、残りの地下に埋没した白い箇所が根に相当する。ダイコンの胚軸と根の区別は、茎頂側の2次根の発生の有無でも見分けられる。根からは両側一列ずつ2次根が出る。店先のダイコンではその痕跡がくぼんだ点の列として観察できる。

ダイコンの原産は地中海地方や中東で、古代エジプトから食用としていた記録がある。ユーラシアの各地でも利用されており、日本では弥生時代には伝わり、在来種と中国ダイコンの交雑で栽培品種が成立(しかし日本原産という説もある)。江戸時代には関東の江戸近郊である板橋・練馬・浦和・三浦半島辺りが特産地となり、その中で練馬大根は特に有名であった。

現在、主流になっている系統は宮重系の青首大根。これは白首大根は根が地中深く張り、青首大根は反対に地上に伸びる性質が強く、同じ大きさのダイコンでも白首大根よりも収穫作業が楽である為と言われる。現在の練馬や三浦では、一部の農家が品種保存を兼ねて白首大根を栽培している。

産地・種類

形状や色も多様で、皮の色は主に白(ハツカダイコンは赤など、白でないものも多い)。

  • 桜島 (胴回りが巨大)
  • 聖護院 (京野菜・球形)
  • 辛味 (見かけは、ミニサイズのダイコンであるが、汁気が少なく辛味が非常に強い。主に蕎麦などの薬味に用いられる。京野菜など)
  • 守口 (きわめて細長い。守口漬に使う)
  • 源助 (加賀野菜。短く太い。甘味が強く煮崩れしにくいことから、おでんに向いているとされる)
  • 練馬・三浦・浅尾 (いわゆる白首大根)
  • 宮重 (いわゆる青首大根)
  • 紅大根(長崎原産の大根)・紅しぐれ(群馬)外見は紫系の赤いダイコン。摩り下ろすと紫色の大根おろしになる。(用途:漬物(千枚漬など)・大根おろしなど)

栄養分・効能・効果

食材としての大根はビタミンA、B、Cに富み鉄分・リン・カルシウムを含む。カロリーは少なく、消化を助ける効能も有るため、ダイエット・フードとしても注目されている。

 

大根の健康効果

大根の根にはアミラーゼという、でんぷん分解酵素が多く含まれ、でんぷんの消化を促進し、胃もたれ、胃酸過多、二日酔い、胸やけに大変効果的であると言われている。お酒の後などにはぜひ食べて欲しい。 大根に含まれているビタミンCは皮に多く含まれ、皮には毛細血管を強くするビタミンPも含まれていて、脳卒中の予防も期待される。また、大根の葉には、ビタミンC、カロチン、カルシウムなどが豊富で優秀な緑黄色野菜と言える。 大根の料理方法としては、お味噌汁の具として、サラダ、大根の生春巻きなど幅広く使えるため、毎日の生活の中に大根を食べる習慣を身につけるのがお勧めである。

味の特徴

ダイコンは、葉に近いクビの部分は汁が多くて甘く、地に深い先端部分は汁が少なくて辛い。このため、クビの部分は生でサラダに、先端部は大根おろしなど薬味に向く。大根の煮込み料理でタコやイカが多岐に渡って用いられるのは、大根に含まれる酵素にこれらを軟らかくするという効果があるためである。

調理例

<根> :調理法は生食として大根おろし、サラダ(春に収穫されるみずみずしい大根を用いることが多い)、繊切りにして刺身のつまなどに使われるほか、浅漬け、おでんやブリ大根などの煮込み料理、味噌汁の具などとして幅広く使われる。かつては秋に収穫される越冬野菜の典型として、おもに漬物(たくあん、べったら漬け、いぶりがっこなど)の形で保存され、冬季間の食卓に供されることが多かった。

また、ダイコンの乾物は戻して煮物にしたり、漬物、酢の物などに用いる。切って干したものは切り干し大根、立て四つに割って干したものは割り干し大根、茹でて干したものはゆで干し大根などと呼ぶ。

<葉> :葉の部分はスズシロ(清白)と呼ばれ、春の七草のひとつである。市販されている大根はほとんどが葉の部分は捨てられたり、販売の際に葉を切り落とされたりしてしまうが、葉の部分の栄養価は高い。炒め物にして食べると栄養の吸収が良いといわれる。また、カブの葉同様、刻んで飯に炊き込んだものは菜飯となる。間引きをした大根の苗は間引き菜(まびきな)と呼ばれ、おひたし、みそ汁の具として用いられる。時には野菜として葉の茂った、まだ根の発達しないダイコンが大根菜(だいこんな)の名で販売されていることもある。根と同様に、葉も干して保存性を高めたものを干葉(ひば)といい、緑黄色野菜の少ない季節の貴重な保存食とされた。しかし茎には棘のような突起があり、そのままでは食用に適さない。


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